芦沢央、米沢穂信、坂木司と中場利一。<7月の読書メーター>

7月の読書メーター
読んだ本の数:9
読んだページ数:2169
ナイス数:278

あなた明日の朝お話がありますあなた明日の朝お話があります感想
市立富良野図書館から借りた一冊。図書館本の場合、貸出期間である2週間で読了することは少なく、2度、3度と延長(予約されていないのを確認の上で再度借りる)することが私にとっての通常である。残念ながら、手付かずのまま「今回は縁がなかったということで」返却する本も多い。本書も2度ほど延長し読了した訳だが、久々に読んだ中場利一は、実に人情味があって面白かった。「バイク屋のくせに自転車操業のオサム」や「デンボの田辺」をはじめ、ひと癖もふた癖もあるキャラクターも、作品に漂っている大阪ならではの雰囲気も愉しかった。 
読了日:07月31日 著者:中場 利一
ホリデー・イン (文春文庫)ホリデー・イン (文春文庫)感想
本棚を眺めていて、んっ!?<ホリデー>シリーズって読み終えただろうか?との疑問が芽生え、本書を読み始めてみた。ふむふむ、未読である。仕事の合間、「昼休み×2日」にて、サクサクと読了。そうだったのかぁ、と。たしかに、「本書は『ワーキング・ホリデー』と『ウィンター・ホリデー』の番外編・スピンアウト作と位置づけられる短編集」かもしれないが、前2作から、うっかり期間を置いてしまった者としては、もう一度1作目から読み直してみたい気持ちが大である。
読了日:07月26日 著者:坂木 司
惑: まどう惑: まどう感想
市立富良野図書館から借りた一冊。結果的には、2度ほど貸出期間を延長しての読了。<アミの会(仮)>によるアンソロジーの第4弾。今回は、「惑(まどう)」をテーマに8人の作家(大崎梢・加納朋子・今野敏・永嶋恵美・法月綸太郎・松尾由美・光原百合・矢崎存美)の競作。たまたま図書館で見かけた<アミの会(仮)>の本。どれもハズレがなく、いつも楽しめる。今回は、「ヘンゼルと魔女・赤い椀・喫茶マヨイガ」(光原百合)、「太陽と月が星になる」(永嶋恵美)、「内助」(今野敏)が、特に良かった。
読了日:07月23日 著者:アミの会(仮),大崎 梢,加納 朋子,今野 敏,永嶋 恵美,法月 綸太郎,松尾 由美,光原 百合,矢崎 存美
バッドカンパニー (集英社文庫)バッドカンパニー (集英社文庫)感想
おそらく初遭遇の作家。書店にて、帯に「この女、やっぱりヤバい!絶好調!!ベストセラーシリーズ第2弾!!」と書かれた『オーバーキル 〜バッドカンパニー供繊戮鮓かけたことが本書を読み始めた動機。こんな時、妙に順番に拘る私は、シリーズ物の場合、まず第弾から読み始めることを、勝手に決めている。その結果、実は購入済みで、ひっそり自宅の本棚に眠っていた本書にスポットが当たることとなった。収録された連作短編の7編を読み継ぎながら、本シリーズの面白さを感じ取ることができた。さて、「オーバーキル」へ準備万端である。
読了日:07月21日 著者:深町 秋生
ねじまき片想い (創元推理文庫)ねじまき片想い (創元推理文庫)感想
おそらく4、5冊の既読本があると思われる柚木麻子。タイトルや足立もえか氏によるカバーイラストから思えば、意外にも、本書は、かの創元推理文庫。まあ、創元推理文庫が好きだし柚木麻子も嫌いじゃない。特にジャンルがどうこうこだわるべくもなく、サクサクと愉しめる連作転変集だった。
読了日:07月19日 著者:柚木 麻子
カドフェス 2018 発見!角川文庫×未来のミライカドフェス 2018 発見!角川文庫×未来のミライ感想
『ナツイチ』に次いでのPR冊子で恐縮だが、同じく隅々まで読み切った『カドフェス2018』。こちらで気になった(買うかもしれない)のは、『夜市』(恒川光太郎)、『津軽』(太宰治)、『兎の眼』(灰谷健次郎)、『クラスメイツ』(森絵都)、『マリアビートル』(伊坂幸太郎)、『幻夏』(太田愛)の6冊。これら各社のキャンペーンの都度、忘れていた名作にもにスポットが当たっていて、実は嬉しい。
読了日:07月16日 著者:角川文庫
ナツイチ 本をひらけば、夏びらき。ナツイチ 本をひらけば、夏びらき。感想
集英社文庫のPR冊子を読了本にカウントするのも如何なものか。という気がしないでもないが、珍しく隅から隅まで読み切ったので。で、気になったのは、『逢魔が時に会いましょう』(荻原浩)、『椿山課長の七日間』(浅田次郎)、『雨の降る日は学校に行かない』(相沢沙呼)、『うずら大名』(畠中恵)、『ラメルノエリキサ』(渡辺優)、『恋するソマリア』(高野秀行)の6冊。
読了日:07月15日 著者:集英社文庫
さよなら妖精 (創元推理文庫)さよなら妖精 (創元推理文庫)感想
書店で見かけた本書の帯には「彼女との出会いが謎に満ちた日々への扉を開けた。『王とサーカス』『真実の10メートル手前』太刀洗万智、初登場」。同じく帯の背には「米澤穂信の出発点」、さらに裏面には「フリージャーナリスト太刀洗万智シリーズ、『王とサーカス』2018年8月文庫化」とあった。で、3冊とも未読な私は、3作目『王とサーカス』の文庫化に照準を合わせつつ、まず本書から。遠い国からはるばるやって来た少女・マーヤを巡る、日常の謎解き。この〈日常の謎〉派ミステリは、ユーゴスラヴィアの歴史問題を含め、実に奥深かった。
読了日:07月14日 著者:米澤 穂信
今だけのあの子 (創元推理文庫)今だけのあの子 (創元推理文庫)感想
近頃、なにやら気になり始めた作家。共通するテーマは「女の友情」とのことで、短編5話を収録。特に1話目の「届かない招待状」が、読みながら、ずっと「なぜだろう?」と思わされて、面白かった。女性ならずとも、十分にリアル感が得られる作品だった。
読了日:07月05日 著者:芦沢 央

読書メーター

『ウドウロク』なども読んでみました。<6月の読書メーター>

6月の読書メーター
読んだ本の数:13
読んだページ数:3934
ナイス数:290

重版出来! 11 (ビッグコミックス)重版出来! 11 (ビッグコミックス)感想
そもそも、黒木華が主演のテレビドラマが面白かったので読み始めた「重版出来!」。読み始めてみると、ドラマにはドラマの良さがあったし、ドラマが原作を随分と尊重していたことも、なんとなくわかった。極めて個人的には、編集長がトラキチなのも嬉しい。読めば元気になる本。では、秋頃らしい次の第12集をジッと待つことに。
読了日:06月30日 著者:松田 奈緒子
BEASTARS 3 (少年チャンピオン・コミックス)BEASTARS 3 (少年チャンピオン・コミックス)感想
コミック本を読む場合、まず順番に買い揃え、ある程度揃ったところで読み始める。しかし、けして続けて一気読みは行わず、1冊読み終えると、間に他の本を挟め、しばらく期間を置いてから次号に進む。まあ、“好きな食べ物は残しておいて最後に食べる派”のため、すぐに読んでしまうのはもったいないのである。さて、久々の第3巻。ふむふむ、いい感じに進んでいるようだ。
読了日:06月29日 著者:板垣巴留
雪のマズルカ (創元推理文庫)雪のマズルカ (創元推理文庫)感想
何となく自宅の本棚を眺めていて、久しぶりで、“あの女探偵”に会いたくなった(作家の名前が「あ行」なので、本棚の1段目。すぐに登場してくる)。どうやら、2015年3月以来の再読。そうそう、たしかにこんな感じだった。毎回、特にラストが意外なほどにハードボイルドしていて、小気味よい。表題作を含む4編を収録。本棚には、『猫とアリス』も並んでいるので、次の〈笹野里子の事件簿〉に進もうかと考えているところ。
読了日:06月29日 著者:芦原 すなお
夜のフロスト (創元推理文庫)夜のフロスト (創元推理文庫)感想
市立富良野図書館から借りた一冊。貸出期間の2週間を2度ほど延長しての読了。「複数の事件が同時進行的に描かれるモジュラー形式」とは言え、驚異的に事件が多発。随分いいかげんなフロストだが、気が付けば、今回も実に働き者だった。ふむふむ、文句なしに面白い。『クリスマスのフロスト』と『フロスト日和』に続き、ようやくシリーズ3作目。このシリーズ、図書館にはここまでしかないようで、ここからは自力で購入し本棚に並べてからゆっくり読もうかと。
読了日:06月28日 著者:R・D・ウィングフィールド
ウドウロク (新潮文庫)ウドウロク (新潮文庫)感想
もう6、7年ほど前のことになるが、毎年9月恒例の“甲子園参戦”時に宿泊した大阪のホテルで、久々に有働アナを見た時、「そうかぁ、最近見かけないと思ったら大阪放送局に異動してたのか」などと思った。その番組が「あさイチ」で、全国放送だったことは後から知った。勤め人の見られない時間帯の番組だから見かけなかっただけらしい。NHKを退職した直後に本が発売されるとは、随分、手回しがいいことで。などと思って買ってみたら、平成26年10月に刊行された本の文庫化だった。本音っぽいつぶやきが随所に登場し、なかなか面白かった。
読了日:06月23日 著者:有働 由美子
罪の余白 (角川文庫)罪の余白 (角川文庫)感想
ほぼ初遭遇の作家。JRにて「富良野〜札幌〜函館」間を3泊4日の小旅行。函館市の「文教堂書店湯ノ川店」にて購入し、帰路、札幌行き「特急スーパー北斗13号」の車中にて、列車が「長万部(おしゃまんべ)」を出てまもなく読み始め、帰宅して2日後の日曜日に読了。「解説」の西上心太氏も触れているが、加奈の学校での転落死を巡り、父親の安藤聡、クラスメートの木場咲、新海真帆、安藤聡の同僚である小沢早苗という四人の視点で交互に語られているあたり、なかなか面白かった。
読了日:06月17日 著者:芦沢 央
探偵は壊れた街で (創元推理文庫)探偵は壊れた街で (創元推理文庫)感想
初遭遇の作家。帯には、「傷ついた街と人々に寄り添う気丈な女探偵。嵐と洪水で荒廃したニューオーリンズ。亡き師匠から教わった探偵術を武器に、女探偵は失踪した検事補を巡る謎に挑む」とあった。たまたま、読了まで思いのほか期間を要してしまったが、けして嫌いな訳ではなく、むしろ好きなタイプの探偵。改めて、一気読みでの再読に挑むか、それとも次の『探偵は孤高の道を』に進むのか。しばし考慮しているところ。
読了日:06月16日 著者:サラ・グラン
ざらざら (新潮文庫)ざらざら (新潮文庫)感想
JRにて「富良野〜札幌〜函館」間を3泊4日の小旅行。往路、札幌ステラプレイス5階の「三省堂書店札幌店」にて補充。函館行き「特急スーパー北斗8号」車中にて、列車が「新札幌」を出てまもなく読み始め、復路、札幌行き「特急スーパー北斗13号」車中にて、列車が「長万部(おしゃまんべ)」に着く頃に読了。おそらくは、4度目か5度目、5年ぶりの再読。2002年から2006年まで雑誌『クウネル』を中心に発表された23篇を収録。毎回、新鮮な読後感が得られて楽しい。今回は、「びんちょうまぐろ」と「月世界」が、特に良かった。
読了日:06月15日 著者:川上 弘美
迷わず働け (小学館文庫)迷わず働け (小学館文庫)感想
6月12日〜15日まで、JRにて「富良野〜札幌〜函館」間を3泊4日の小旅行。その時の持参本が本書。小旅行の主目的は、札幌ドームでのセ・パ交流戦「日ハムvs阪神」戦で、私が参戦した2試合は、わが阪神が1勝1敗。初戦に圧勝して2戦目は惜敗。そんな観戦の間隙をぬって、地下鉄・大通駅に直結の「cafe ひので」にて読了。前半はゆっくりと流れて後半、一気にスパートする感じ。『どろ』とか『かび』とか『とげ』とか。山本甲士の“お仕事本”は、なんだかクセになる。
読了日:06月13日 著者:山本 甲士
パイプのけむり (朝日文庫 だ 1-1)パイプのけむり (朝日文庫 だ 1-1)感想
市立富良野図書館から借りた一冊。文庫本のコーナーを眺めてみたところ、かの有名な「パイプのけむり」の記念すべき1冊目らしい本書を発見。『アサヒグラフ』誌の「昭和39年6月5日号〜昭和40年8月6日号」に連載されたもの61篇を収録。本書が文庫化された昭和52年9月の時点でも、すでに「続」「続々」「又」「又々」「まだ」「まだまだ」「も一つ」と<パイプのけむりシリーズ>が続いていたらしい。当時の未来予測的なものとして半世紀後の現在に読むというのも味わい深かった。
読了日:06月11日 著者:團 伊玖磨
BEASTARS 2 (少年チャンピオン・コミックス)BEASTARS 2 (少年チャンピオン・コミックス)感想
「動物版青春ヒューマンドラマ」と言いながら、妙に人間臭くて面白い。今後もゆっくり、楽しませていただくことに。
読了日:06月10日 著者:板垣巴留
セトウツミ 8 (少年チャンピオン・コミックス)セトウツミ 8 (少年チャンピオン・コミックス)感想
読み終えてしまうのがもったいなくて、大事に本棚に収納しておいたところ、うっかり忘れてしまい、ようやくの読了。ひたすら河原で“喋るだけ”の、ある意味、異色のコミック。実に味わい深かった「セトウツミ」。また、半年後くらいには、全8巻を一気読みしてみたい(忘れなければ)。
読了日:06月05日 著者:此元和津也
花のあと (文春文庫)花のあと (文春文庫)感想
週末、JRにて「富良野〜旭川〜稚内」間を1泊2日の小旅行。今回は、読みかけだった本書が持参本。往路、稚内行き「特急サロベツ1号」の車中にて読了。ちょうど、列車が「音威子府(おといねっぷ)」を過ぎたあたり。藤沢周平の本は、『三屋清左衛門残日録』に次いで、まだ2冊目で、ほんの新参者である。どうやらたくさん出版されているらしい藤沢周平だが、連作短篇集若しくは短篇集から少しずつ読み進めてみたい。
読了日:06月02日 著者:藤沢 周平

読書メーター

発見!BEASTARS(ビースターズ)。<5月の読書メーター>

JUGEMテーマ:読書

5月の読書メーター
読んだ本の数:8
読んだページ数:2377
ナイス数:251

BEASTARS 1 (少年チャンピオン・コミックス)BEASTARS 1 (少年チャンピオン・コミックス)感想
マンガ本やコミック本には縁のない私が、稀にコミック本を購入するパターンは、テレビドラマ(実写)化されたものを観て、原作本が読みたくなった時。たとえば、「セトウツミ」とか「重版出来!」など(というか、直近3年間に購入した本を並べた自宅の本棚には、その2作品しか見当たらないが)。そんな私が、帯の「『マンガ大賞2018』大賞受賞!!」に誘われて買ったのが本書。「少年チャンピオン」の読者には「お前は何をいまさら」とお叱りをいただきそうだが、「話題騒然の動物版青春ヒューマンドラマ!!」は、たしかに面白い。
読了日:05月27日 著者:板垣巴留
仙台ぐらし (集英社文庫)仙台ぐらし (集英社文庫)感想
いつもの本屋さんに平積みされていたので、買ってみた。「心配性の筆者が仙台の日々を綴るエッセイ集」とのこと。正直なところ、“つぶやき”ではあるが、あまりエッセイらしくは思えなかった。まあ、エッセイとはこうでなければならない、などといった決まりは、特にないのだろうけれど。そんな中、増補された「ブックモビール a bookmobile」は悪くなかった。
読了日:05月23日 著者:伊坂 幸太郎
象工場のハッピーエンド象工場のハッピーエンド感想
市立富良野図書館から借りた一冊。奥付を見ると、「1983年12月5日 第1刷発行」。「カティーサーク自身のための広告」から「サヴォイでストンプ」まで、13編を収録。表題作はないが、「A DAY in THE LIFE」には、象工場に勤めている“僕”が登場している。ある日、「村上春樹・文/安西水丸・画」な本を、パラパラと眺めるのも悪くない。
読了日:05月21日 著者:村上 春樹,安西 水丸
愚か者死すべし愚か者死すべし感想
市立富良野図書館から借りた一冊。随分と久々な原錙1付を見ると、「2004年11月30日 発行」で、帯には「待望の最新長篇、ついに刊行。新・沢崎シリーズ、第1弾。伝説の男が、帰ってきた」。本来、『そして夜は甦る』『私が殺した少女』『さらば長き眠り』の第一期長篇三作から順次再読したかったところ。残念ながら図書館の本棚に並んでいた沢崎シリーズは、本書のみで、やむなし。ここのところ、とんとご無沙汰気味なハードボイルドでもあり、その感覚を取り戻すことに時間を要してしまったが、存分に堪能することができた。
読了日:05月21日 著者:原 リョウ
噂の女 (新潮文庫)噂の女 (新潮文庫)感想
滅多に観ない「BSジャパン」にて、たまたま「連続ドラマ 噂の女」を観た。主演の足立梨花が、いつもとはちょっと違って妙に妖艶。そういえば、この原作本が未読のまま本棚に並んでいたので、読み始めてみた。「中古車販売店の女」に始まり「スカイツリーの女」までの連作短篇集で10編を収録。男を虜にする“毒婦”糸井美幸は、なかなか凄まじかった。今回は、「観てから読んだ」ケースだが、最後までドラマのイメージから抜け出すことができず。読んでから観た方が良かったのかもしれない。
読了日:05月10日 著者:奥田 英朗
([ほ]4-3)活版印刷三日月堂 庭のアルバム (ポプラ文庫)([ほ]4-3)活版印刷三日月堂 庭のアルバム (ポプラ文庫)感想
さて、もったいないので大事に残しておいた感じな本書。収録の4編を、1編1時間くらいなスローペースにて、ゆっくりと読了。行ったことのない川越や何度か行ったことのある盛岡に行きたくなりました。
読了日:05月08日 著者:ほしおさなえ
新編 銀河鉄道の夜 (新潮文庫)新編 銀河鉄道の夜 (新潮文庫)感想
突然に読みたくなった宮沢賢治、そして「銀河鉄道の夜」。思えば、3年ほど前、北海道新幹線が開業して間もない頃のこと。当時、函館人だった私は、さっそく新幹線にて盛岡まで。で、結局、何度か来たことのある盛岡をスルーして花巻、さらに釜石へ。その頃から、「銀河鉄道の夜」と「遠野物語」が気にはなっていた。明治29年(1896年)に生まれて昭和8年(1933年)、37歳で生涯を終えた賢治の、「生前に刊行されたのは「詩集『春と修羅』、童話集『注文の多い料理店』のみ」とのこと。今後も賢治の遠大なる世界を楽しもうと思う。
読了日:05月07日 著者:宮沢 賢治
小川洋子の陶酔短篇箱小川洋子の陶酔短篇箱感想
市立富良野図書館から一冊。帯には、「魅惑の16本と小川洋子のエッセイが奏でる究極の小説アンソロジー集!」とあった。馴染みの作家は、川上弘美くらいで、読んだことがあるのが梶井基次郎・井伏鱒二・小池真理子・岸本佐和子の4人で残りの11人が初遭遇。面白かったのは「遊動円木」(葛西善蔵)、「逢びき」(木山捷平)、「五人の男」(庄野潤三)など。ところで、私が子どもの頃には小学校のグラウンドの脇にあって、みんなでよく遊んだ「ゆうどうえんぼく」。思えば、その名前の由来を考えたり、文字を想像したしたことは一度もなかった。
読了日:05月06日 著者:小川 洋子

読書メーター

藤沢周平&藤田宜永に着手。<4月の読書メーター>

4月の読書メーター
読んだ本の数:9
読んだページ数:3274
ナイス数:243

三屋清左衛門残日録 (文春文庫)三屋清左衛門残日録 (文春文庫)感想
たぶん、藤沢周平の本は、本書が初めて。たしか図書館で全国紙の新聞(読売・毎日・朝日)の日曜版を読んでいて、藤沢周平の娘さん(遠藤さん)が父・藤沢周平を語っている中に、「娘婿の苗字が遠藤だったことから、どちらかといえば悪役だったか『遠藤』のことを悪く書けなくなっていた」みたいなことが紹介されていて、そんなことがあるんだろうか。などと思ったのが本書の購入動機。そんな、かなり不純なキッカケではあるが、随分と面白かった。「傑作長篇小説」は、私的には15話からなる連作短篇集として楽しませていただいた。
読了日:04月25日 著者:藤沢 周平
このあたりの人たち (Switch library)このあたりの人たち (Switch library)感想
市立富良野図書館から借りた一冊。帯(図書館本なので、切り取って表紙の次のページに貼られていたが)には、「町ができていく。8年の歳月をかけ、丹精込めて創り上げた、〈このあたり〉をめぐる26の物語」とあった。巻末によれば、『monkey business』(vol.1−15 ヴィレッジブックス刊)など各誌に掲載された25編に、最後、書下ろしの「白い鳩」を加えたらしく、どうやら連作短編集(若しくはショートショート集)。1編ごとに独立した話であって、つながった1冊の話でもある。極端に遅読な私が、ササッと一気読み。
読了日:04月22日 著者:川上 弘美
おしい刑事 (ポプラ文庫)おしい刑事 (ポプラ文庫)感想
市立富良野図書館から借りた一冊。たぶん、初遭遇の作家。タイトルといい表紙装画といい、いかにも軽い感じ。推理力は抜群なのに詰めの甘い押井刑事は、いつも手柄を同僚に横取りされてしまう。なるほど、“惜しい刑事”である。それでも、随所に意外性もあって、それなりに楽しめた一冊。毎度手柄を横取りしてしまう伊多田係長と横出巡査は、収録作のたびにどんどん偉くなっていく中、押井刑事がずっと巡査長のままなのが可笑しかった。
読了日:04月21日 著者:藤崎 翔
ル・パスタン (文春文庫)ル・パスタン (文春文庫)感想
「鬼平犯科帳」や「剣客商売」など、馴染みの作家のつもりだった池波正太郎。しかし、よく考えてみれば、それらはテレビで観た時代劇。改めて本棚を眺めてみれば、『酒肴日和「そうざい」エッセイ選集』(徳間文庫カレッジ)、『夜明けのブランデー』(文春文庫)、『新編 男の作法 作品対照版』(サンマーク文庫)の3冊があったが、いずれも未読。意外にも本書が初の読了本のようだ。『週刊文春』の「1986年11月6日号〜1988年12月1日号」に連載されたエッセイからの全104編。様々に、歯に衣着せぬ物言いを楽しむことができた。
読了日:04月16日 著者:池波 正太郎
ボディ・ピアスの少女 新装版: 探偵・竹花 (光文社文庫)ボディ・ピアスの少女 新装版: 探偵・竹花 (光文社文庫)感想
実のところ、藤田宜永は今まであまり縁のなかった作家。最近では、『クリスマスのフロスト』(R・D・ウイングフィールド/創元推理文庫)など厚めの文庫本も、さほど苦もなく読了し始めていて、書店で見かけた『探偵・竹花 帰り来ぬ青春』(双葉文庫)の厚さが気になった。どうやら、<探偵・竹花シリーズ>の最新刊。例によってシリーズ物が好きな私は、まず第1弾の本書から順次読み始めたところ。時代は、バブル景気の余韻が残る1992年、バルセロナ五輪が開幕する頃。懐かしさもありつつ、ハードボイルドな世界を楽しむことができた。
読了日:04月14日 著者:藤田 宜永
猫を拾いに猫を拾いに感想
市立富良野図書館から借りた一冊。結構既読本もある川上弘美だが、ここのところちょっとご無沙汰。雑誌『クウネル』に連載された作品から収録の21篇。独特の感性と感覚を楽しむことができて、どれも面白かった。かつて、隔月で偶数月に発行されていた『クウネル』を、書店にて、置かれている女性向けの雑誌のコーナーを都度、わざわざ覗いては買っていた。好きな雑誌だったのである。そのくせ全然読んでいなかったことが今回、判明。こうなると、同じく『クウネル』から収録の『ざらざら』と『パスタマシーンの幽霊』も速やかに読まなくては。
読了日:04月09日 著者:川上 弘美
ウィンター・ホリデー (文春文庫)ウィンター・ホリデー (文春文庫)感想
<ホリデー>シリーズの第2弾。私の知る坂木司とは少し違った雰囲気もあるが、根がハッピーエンド好きな者として、温かでホッとできるシリーズ。本書の展開も申し分なし。ところで、「文庫版あとがき」に、東日本大震災直後のヤマト運輸の「救援物資輸送協力隊」の活動が触れられているが、思えば、本シリーズの主人公は、元ヤンキーでホストだった沖田大和(ヤマト)。まあ、偶然なのだろうけれど。
読了日:04月07日 著者:坂木 司
フロスト日和 (創元推理文庫)フロスト日和 (創元推理文庫)感想
市立富良野図書館から借りた一冊。<フロスト警部シリーズ>は、文庫本にしてはかなりな厚さ。すっかりビビってしまい、ずっと気になりつつも手が伸びず、最近になってようやくの着手。自分の性格も考慮し、いつでも読める購入本よりも期限のある図書館本を選択。なぜこんなに面白い本を今まで読んでこなかったのかとの後悔よりも、未体験のシリーズが最終作の『フロスト始末』までタップリ残っていることの喜びの方が遥かに上回る。考えてみれば随分と働き者のフロストに脱帽である。
読了日:04月05日 著者:R・D・ウィングフィールド
象は忘れない象は忘れない感想
市立富良野図書館から借りた一冊。帯には、「ミステリーの旗手・柳広司による、物語でしか描けなかった、あの震災と原発事故」とあった。何冊か既読本のある作家だが、果たしてこの本は、フィクションなのかノンフィクションなのか。よく分からないまま、収録された5編を読み進めてみた次第。読了直後に、巻末に掲載の膨大な参考資料・引用文献を見て、そこから作品にまとめることの困難さが伝わってきた。物語ではありながら、限りなく実話であり、今もって現実であることを感じた。
読了日:04月04日 著者:柳 広司

読書メーター

遥かなる“フロスト警部シリーズ”に着手しました。<3月の読書メーター>

3月の読書メーター
読んだ本の数:13
読んだページ数:3652
ナイス数:310

女には向かない職業 (ハヤカワ・ミステリ文庫)女には向かない職業 (ハヤカワ・ミステリ文庫)感想
巻末に「本書は、1975年1月にハヤカワ・ミステリとして刊行された作品を文庫化したものです」とあって、奥付を見ると「1987年9月15日 発行/2014年7月15日 24刷」。私が読んだのは文庫化よりも前で、40年ぶりくらいでの再読。そうか、こんなにも奥深い物語だったのかと驚いた。そして、解説・瀬戸川猛資氏の「非常に手がこんでいて満喫できる。但し描写の執拗さに怯まず、一気に読み通すこと」とのアドバイスに同感。中盤くらいまでかなり苦戦もあった。さてこうなると『皮膚の下の頭蓋骨』も再読しなくてはなるまい。
読了日:03月31日 著者:P.D.ジェイムズ
田舎の刑事の趣味とお仕事 (創元推理文庫)田舎の刑事の趣味とお仕事 (創元推理文庫)感想
『田舎の刑事の好敵手』の帯の「規格外の警察小説、シリーズ最新刊!」を見て、シリーズ物好きで妙に順番にこだわる者として、まず買い揃え、第1弾の本書から読み始めたところ。収録された5編のうち、3作目の「田舎の刑事の危機とリベンジ」あたりから、どうやら馴染むことができた。なるほど、本書がデビュー作。「文庫版あとがき」にキャラクター設定の推移などが説明されていて、そうかそうかと。じんわりと面白さが沁みてくるシリーズ。
読了日:03月30日 著者:滝田 務雄
セトウツミ 7 (少年チャンピオン・コミックス)セトウツミ 7 (少年チャンピオン・コミックス)感想
本棚を眺めていて、全8巻の『セトウツミ』が目に入った。はて?読了したんだったろうか。いやいや、たしか6巻まで読み終えたところで、もったいないので楽しみを後に残しておいたはず。で、まるでリスが大事に埋めておいたドングリを発見したように、ちょっと嬉しい気持ちで、再会を祝しつつ、読了。いよいよ残すところ1巻となってしまった。そうそう、猫の名前はニダイメだった。
読了日:03月26日 著者:此元和津也
女について (光文社文庫)女について (光文社文庫)感想
どちらかと言えばミステリを中心に読んできたためか、佐藤正午とはほとんど縁がなく、「夏の情婦」(小学館文庫)に次いで、ようやく本書で2冊目。『恋売ります』を『女について』に改題し8編を収録。なるほど、たしかに様々な女性が登場する。著者が同世代ということもあってか、描かれている世界が当時の自分の日常にもかなり近い。随所に登場する「ぼく」の飲み友達である「一つ年下の後輩で洋服屋の次男坊」との掛け合いも、なかなか面白い。どうやら、私にとっての佐藤正午は今が読み頃であるらしい。
読了日:03月25日 著者:佐藤 正午
エヌ氏の遊園地 (新潮文庫)エヌ氏の遊園地 (新潮文庫)感想
随分と久々で手に取ってみた星新一の本。帯に「1日1編、1ヶ月分のお楽しみ」とあって、ショートショート31編を収録。巻末には「この作品は昭和41年2月三一書房より刊行され、その後講談社文庫に収められた」。奥付には「昭和60年7月25日 発行/平成28年4月25日 28刷」。強盗、私立探偵など、様々なエヌ氏が登場し、古さを感じることはなく、サクサクと読了。昭和60年6月に書かれた「あとがき」には、「短編を書くとき、時事風俗に関連のあることは、つとめて書かないことにしている」。長く読み継がれるには理由があった。
読了日:03月21日 著者:星 新一
女ともだち (文春文庫)女ともだち (文春文庫)感想
JRにて3泊4日の小旅行。持参本は読みかけの1冊のみ。往路、札幌での乗り換え時に「札幌弘栄堂書店パセオ西店」にて補充。弘前からの帰路、各列車の車中や駅の待合スペース、喫茶店などにて読み継ぎ、最後は札幌の「チ・カ・ホ」(駅前地下歩行空間)内に、辛うじて空いた椅子を見つけて、ゆっくりと読了。「人気女性作家8人が豪華競作!」とのことで「女ともだち」がテーマの短編小説集。ちょっと怖い話もあったり、様々な切り口で、存分に楽しむことができた。アンソロジーって案外いいなぁ、と今頃気づき始めているところ。
読了日:03月18日 著者:村山 由佳,坂井 希久子,千早 茜,大崎 梢,額賀 澪,阿川 佐和子,嶋津 輝,森 絵都
ワーキング・ホリデー (文春文庫)ワーキング・ホリデー (文春文庫)感想
JRにて3泊4日の小旅行。初日が一番の移動で「富良野〜滝川〜札幌〜新函館北斗〜新青森〜弘前」間を約9時間。乗り換えは4回。読みかけだった本書を持参し、北海道新幹線「はやぶさ30号」の車中にて、津軽海峡トンネルの通過中に読了。自分なりに勝手に描いていた坂木司のイメージとは少し違っていて、だが、これはこれでいい。速やかに『ウィンター・ホリデー』へ。
読了日:03月15日 著者:坂木 司
ぜつぼうぜつぼう感想
市立富良野図書館から借りた一冊。『腑抜けども、悲しみの愛を見せろ』とか『江利子と絶対』などの既読本はあるものの、かなり久々の本谷有希子。たぶん、十数年ぶり。「1979年石川県生まれ。高校卒業後、上京。2000年9月、『劇団、本谷有希子』を旗揚げ。主宰として作・演出を手掛ける」との略歴を見て、その行動力に随分と驚かされたものだった。巻末には「初出 『群像』2005年11月号」とあるので、25、6歳頃の作品と思われるが、やっぱり独特の感性。できれば、演劇とかドラマとかで観てみたい。
読了日:03月14日 著者:本谷 有希子
あがり (創元日本SF叢書)あがり (創元日本SF叢書)感想
市立富良野図書館から借りた一冊。同じく市立富良野図書館から借りて初遭遇作品だった『就職相談員蛇足軒の生活と意見』(角川書店)に続いて、サクサクと読了。のつもりで借りたはずが、気が付けば、2度の延長を経て、約5週目での読了。たぶん、私がSFを読むことにに慣れていないのと、理系な人間ではないことが、案外、苦戦してしまった原因と思われる。とは言いながら、「蛸足大学」やら「百歩七嘘派」やら、前作でお馴染みのワードも出てきて、後半に進むほどにシックリと。表題作をはじめ5編を収録。最後の「へむ」が特に面白かった。
読了日:03月12日 著者:松崎 有理
([ほ]4-2)活版印刷三日月堂: 海からの手紙 (ポプラ文庫)([ほ]4-2)活版印刷三日月堂: 海からの手紙 (ポプラ文庫)感想
シリーズ第2弾で、4編を収録。ちょうど1編がテレビの1時間ドラマを観るような感じ。1編を読み終えたらいったん他の本に移って、しばらく時間をあけてから次に進み、2日間でゆっくりと読了。こんなにも穏やかに読み進められる本も、珍しい。「我らの西部劇」が特に良かった。ところで、巻末に、「西部劇については亡き父・小鷹信光の資料を参考にしました」とあって、吃驚。かつて、小鷹信光氏によるハードボイルドの翻訳本を何冊か読んでいて、懐かしかった。
読了日:03月09日 著者:ほしお さなえ
とりつくしま (ちくま文庫)とりつくしま (ちくま文庫)感想
既読本が2、3冊あるかもしれないが、どちらかといえばあまり馴染みのない作家。「とりつくしま」の設定を理解しないまま読み始めてしまったところ、はじめはちょっと違和感も。そうか、こんな本だったのか、と。で、読み進めるにしたがって、スンナリ、そして、サクッと読了。読後感も悪くない。収録された11話の中で、特に「白檀」が良かった。あまり期間を置かずに、ゆっくりと再読してみようかと。
読了日:03月05日 著者:東 直子
相棒に気をつけろ (集英社文庫)相棒に気をつけろ (集英社文庫)感想
おそらくは単行本での読了も含めて5、6度目の読了。<世間師シリーズ>第1弾の本書と続編の『相棒に手を出すな』の2冊は、ちょっと故郷に帰省するかのような感覚で、繰り返して読んでいる。思えば多作の御大・逢坂剛。にも関わらず、私が頻繁に読んでいるのは、本シリーズと<御茶ノ水署シリーズ>。ユーモアなコンビものばかりだった。
読了日:03月03日 著者:逢坂 剛
クリスマスのフロスト (創元推理文庫)クリスマスのフロスト (創元推理文庫)感想
市立富良野図書館から借りた一冊。奥付を見ると「1994年9月30日 初版/1995年3月31日 10版」。たしか出版されてまもく購入し読み始めたはずだが、その厚さ(530ページ)にも負けて、前半の100ページほどで断念。また日を改めて。で、20年以上経ってしまった。芹澤恵氏の「訳者あとがき」には「いくつもの事件が、時間差攻撃のように同時に発生し、それを刑事が追いかけていく小説をモジュラー型警察小説と呼ぶそうだが、本書はその典型のような作品」とあるが、実に凄まじく、文句なしに面白かった。クセになる一冊。
読了日:03月01日 著者:R.D ウィングフィールド

読書メーター

いい作家、いい作品に出合えた2月。<2月の読書メーター>

2月の読書メーター
読んだ本の数:12
読んだページ数:3591
ナイス数:328

ずっとあなたが好きでした (文春文庫)ずっとあなたが好きでした (文春文庫)感想
文庫本で正味661ページ。「初出一覧」によれば、収録された13編のうち書下ろしが2編で残りは『別冊文藝春秋』などに掲載されたもの。表題作が最初に来ていて、たしかに意表を突くラストだったが、それ以上にちょっと拍子抜け。そんな気持ちを引きずりつつ読み進めた本書だったが、それぞれの短編としても1冊の本としても、満足の一冊だった。さまざまな仕掛けを堪能。大矢博子氏による「必ず本編をすべて読み終わってから読んでほしい解説」は、たしかにその指示に従ってこその醍醐味を味わうことができた。
読了日:02月27日 著者:歌野 晶午
舟を編む (光文社文庫)舟を編む (光文社文庫)感想
帯には「ついに文庫化!累計100万部突破!2012年本屋大賞第1位!」とあって、本書の奥付を見ると「2015年3月20日 初版1刷発行/2016年10月15日 9刷発行」。いつか読もうと思いつつ、随分な先送りをしてしまったものである。JRにて富良野線で「富良野〜旭川」間を日帰りした帰路、列車が「美瑛」を過ぎたあたりで読了。膨大で想像を絶するような辞書作りと、それをこんなにも素晴らしい小説にしてしまう三浦しをんの凄さを思い知らされた気がする。全国の書店員さんが推薦するのも納得の一冊。不器用な恋も良かった。
読了日:02月26日 著者:三浦 しをん
推理は一日二時間まで推理は一日二時間まで感想
日頃、高価な単行本で買うことは少ない。にも関わらず、岩清水さやか氏の表紙イラストがあまりに楽しそうで、つい購入。考えてみれば、霧舎巧という作家も、それほど馴染みがある方ではなかった。帯には、「ラストに驚天動地の大仕掛けが待ち構える、壮大かつ緻密な連作ミステリ!」ともあったが、読んでみての正直な印象としては、あまり構えることなく、多少、脱力気味に読む感じで、ちょうどいい気がする。まあ、軽めの本も嫌いではない。いずれにせよ、私好みの装画・装幀、そして、好きな手触りの本。こんな本が1冊本棚にあるのも悪くない。
読了日:02月21日 著者:霧舎 巧
([ほ]4-1)活版印刷三日月堂 (ポプラ文庫)([ほ]4-1)活版印刷三日月堂 (ポプラ文庫)感想
初遭遇の作家。巻末には、「この作品は描き下ろしです」とあって、奥付を見ると、「2016年6月5日 第1刷発行」「2017年11月25日 第10刷」。収録された4作を順に読み進めると、「三日月堂」を取り巻く人々の輪が、ゆっくりと広がっていく様子が伝わり、穏やかな気持ちにさせてくれる。帯には、「3冠達成!」とのことだが、「読書メーター」(2016.6.15 読みたい本ランキング)以外、「ブクログ」(2016.6.15 速報ランキング)も「第5回 静岡書店大賞」(文庫部門 映像化したい文庫)も、知らなかった。
読了日:02月15日 著者:ほしお さなえ
鍵のない夢を見る (文春文庫)鍵のない夢を見る (文春文庫)感想
お馴染みの作家のようでいて、実のところ、案外、既読本の少ない辻村深月。第147回直木三十五賞受賞作。巻末によれば、『オール讀物』『文春ムック「オールスイリ」』に掲載されたものらしく、5編を収録。最初の「仁志野町の泥棒」の重たさには、あまりいい読後感が得られなかった。以降4編にも重たい感じが漂ってはいたが、ミステリ的な要素もあって楽しめた。添付されている、同郷(山梨県)の林真理子との「直木賞受賞記念対談」を読みながら、久しぶりに林真理子の『葡萄が目にしみる』が読みたくなった。
読了日:02月13日 著者:辻村 深月
妻が椎茸だったころ (講談社文庫)妻が椎茸だったころ (講談社文庫)感想
辛うじて2、3冊の既読本はあるものの、必ずしも馴染みの作家とまでは言えない中島京子。そもそものところ、何やら不思議なタイトルに誘われて読み始めた本。表題作を含む5作を収録。特に表題作が良かった。これはなかなか書けない。最後の「ハクビシンを飼う」も、ほぅ〜お、そう来たか、と妙に感心させられた。また、いい作家、いい作品に出合えた。
読了日:02月12日 著者:中島 京子
そういうものだろ、仕事っていうのはそういうものだろ、仕事っていうのは感想
市立富良野図書館から借りた一冊。巻末によれば2010年5月〜10月、6人の作家が1ヵ月ごとに担当して「日本経済新聞電子版」に掲載されたものらしい。「人気作家がワンテーマで短篇競作!!」とのこと。初遭遇の作家は一人(盛田隆二)だが、他の5人もお馴染みの作家というほどではなく、読んだとしても、おそらく、せいぜい2、3作。そんな中で、「きみがつらいのは、まだあきらめていないから」(盛田隆二)には、かなりなリアリティーを感じ、「職場の作法」(津村記久子)がテンポよく、いい感じに楽しむことができた。
読了日:02月11日 著者:重松 清,野中 柊,石田 衣良,大崎 善生,盛田 隆二,津村 記久子
スローカーブを、もう一球 (角川文庫)スローカーブを、もう一球 (角川文庫)感想
かなり久々な再読。「不朽のスポーツ・ノンフィクション」とのことで、表題作を含む8作を収録。1980年〜1981年頃に『野生時代』などに連載された作品ですが、時代を経過して読む側も年齢を重ねることで、それなりに感じ方にも変化が現れるようです。読んでみて、表題作と「江夏の21球」を混同してしまっていたことにも気が付きました。
読了日:02月07日 著者:山際 淳司
セトウツミ 6 (少年チャンピオン・コミックス)セトウツミ 6 (少年チャンピオン・コミックス)感想
う〜む。全8巻の「セトウツミ」ですが、本書を読了し、いよいよ残りは2冊。また少し期間を置いてから、ソーッと読もうかと。まあ、考えてみれば、全巻の読了後には、また第1巻から読み直せばいいだけなのですけれど。で、今回は、なぜかタメ口なハツ美ちゃんと樫村さんの掛け合いが最高な「第42話 中学の先輩とお寺の檀家」が特に良かったです。
読了日:02月05日 著者:此元和津也
カラーひよことコーヒー豆 (小学館文庫)カラーひよことコーヒー豆 (小学館文庫)感想
一応は数冊の既読本のある小川洋子ですが、読了は久々。「あとがき」によれば、「女性誌『Domani』の連載エッセイに書下ろしを加えて」とのことで、「2009年、雨の多い夏」の刊行。で、本書の奥付を見ると「2012年9月11日 初版第1刷発行」。昨年4月、富良野に住んでからの購入本を並べた我が家の本棚にあったということは、5年ほど書店の本棚並んでいたのかもしれず(仮に、どこかに保管されていたとしても)、その巡り合わせを思えば、なにやら感慨深いものがあります。そうそう、私と同じ、熱烈なる阪神ファンでした。
読了日:02月04日 著者:小川 洋子
海の物語 (新潮文庫)海の物語 (新潮文庫)感想
市立富良野図書館から借りた一冊。灰谷健次郎は、かつて、『兎の眼』とか『太陽の子』とか、何冊か読みましたが、実に久々。なぜか、先日、『食堂かたつむり』(小川糸/ポプラ文庫)を読み終えて、いい本だったなぁ、と物語を振り返りながら、ふと読みたくなった作家(3人)の一人が灰谷健次郎。というのがきっかけで、図書館で探してみました。探し方が悪かったのか、あまり灰谷健次郎の本がなくて、数少なく置いてあったのが本書。わざわざ児童文学などと区別する必要もないでしょう。心洗われるような、いい物語。スラスラと読了です。
読了日:02月02日 著者:灰谷 健次郎
残像に口紅を (中公文庫)残像に口紅を (中公文庫)感想
1泊2日でJRにて(一部区間はバスによる代行運行)「富良野〜新得〜帯広」間を往復した時の持参本。帰路、「新得〜東鹿越」間の代行バスの車中にて読了。単行本(1989年4月刊)になった時の帯には「世界からことばが消えてゆく小説。言語が消滅してゆく世界で、執筆し、飲食し、講演し、交情する小説家・・・ついに書かれた究極の実験的長編」とあったとのこと。この発想といい、その実践といい、凄まじい。まさに、奇才・筒井康隆ならでは。巻末に添付の、泉麻子氏による本書にかかる卒業論文(「調査報告」)もなかなか興味深かった。
読了日:02月01日 著者:筒井 康隆

読書メーター

掘り出し物は『就職相談員蛇足軒の生活と意見』(松崎有理/角川書店)。<1月の読書メーター>

JUGEMテーマ:読書

1月の読書メーター
読んだ本の数:11
読んだページ数:3108
ナイス数:206

残酷人生論残酷人生論感想
随分と以前に『14歳の君へ』を読み、それ以来の池田晶子です。帯の裏面には、「2017年・7社合同企画 池田晶子・没後10年記念ブックフェア『池田晶子の言葉と出会う』」とあります。そもそも内容を理解しようと思って買った訳ではなくて、なかなか手を伸ばしずらい「哲学」の一端だけでも感じられれば、などと思って読んでみました。「著作案内」には、『帰ってきたソクラテス』『さよならソクラテス』『睥睨するヘーゲル』『2001年哲学の旅』など、興味惹かれるタイトルがいっぱい。今後も分からないなりに読んでみようかと思います。
読了日:01月30日 著者:池田 晶子
ハッピーエンドにさよならをハッピーエンドにさよならを感想
市立富良野図書館から借りた一冊。できれば、常にハッピーエンドなラストを期待してしまう私としては、帯の「アンチ・ハッピーエンド・ストーリー」を見て、さて、どうしたものか、多少の躊躇もありながら。ではありましたが、さまざまな11作がちりばめられていて、こんな歌野晶午もあったのかと、十分に楽しめました。そんな中、いろんな意味で意表を突かれたのが「天国の兄に一筆啓上」。思わず、すぐに冒頭から読み返してしまいました。
読了日:01月29日 著者:歌野 晶午
就職相談員蛇足軒の生活と意見就職相談員蛇足軒の生活と意見感想
市立富良野図書館から借りた一冊。初遭遇の作家。なにやら風変わりなタイトルとヒグチユウコ氏の装画に興味惹かれて。はじめの「第一話 懇切、ていねい、秘密厳守」では、作風も把握できずに、なんだなんだの気持ちのまま読み進めましたが、馴染んでみれば意外にハマる。主人公にして27歳、女、無職の「シーノ」、百歩七嘘派家元の「蛇足軒」、池のらんちゅうの「いちゃぽん」、人工知能搭載お掃除機械の「990改め、ぽにい」、白い猫の「余白」など、キャラクターのネーミングも楽しくて、なかなかな掘り出し物。ある意味、嬉しい誤算でした。
読了日:01月28日 著者:松崎 有理
([お]5-1)食堂かたつむり (ポプラ文庫)([お]5-1)食堂かたつむり (ポプラ文庫)感想
既読本のようなつもりでいましたが、どうやら初読。で、奥付を見ると、「2010年1月15日 第1刷発行」で、本書が「2016年3月12日 第29刷」。一応、ミステリを中心としつつ、実のところ、気になれば何にでも手を出す“乱読派”な私ですが、グイグイ引き込まれ、嬉しくなるほどに、美味しくて素敵な物語。29刷の増刷も納得の一冊です。なぜだか、随分とご無沙汰している灰谷健次郎(『太陽の子』とか)や今江祥智(『優しさごっこ』とか)、そしてケストナー(『飛ぶ教室』)が読みたくなってしまいました。
読了日:01月23日 著者:小川 糸
毒殺協奏曲毒殺協奏曲感想
市立富良野図書館から借りた一冊で、<アミの会(仮)>のアンソロジー第2弾。新津きよみ氏の「あとがき」によれば、「もともとアミの会(仮)は、たまに集まってご飯を食べたり、お酒を飲んだりすることを目的に結成された女性作家の集まり」とのこと。「今回は男性作家さんにも」ということで、男性作家二人を加えた8人の作品を収録。たまたま目についた『隠す』(第3弾)に始まり、『捨てる』(第1弾)に続いて、順不同の3冊目。まさに“競作”。各作家の特長が、いい感じに現れていて、今回も十分楽しめました。
読了日:01月22日 著者:
新聞記者 (角川新書)新聞記者 (角川新書)感想
自分では、乱読で、何にでも手を出すタイプのような気がしていましたが、思えば、小説以外の本を読んだのは、実に久々。常日頃、ニュースなどで見かける菅官房長官の記者会見。「まったく問題ありません」など、一方的に言いっぱなしで、とても「質問への回答」とは思えず、にも拘らずそれに対しての再質問すらされていないような様子に、こんなところにも忖度なのかと、あきれ返るばかり。官房長官記者会見での彼女の姿は、ごく普通の、記者として当然のことと思われ、それが、脚光を浴びたりバッシングされたりする日本の今は、かなり心配です。
読了日:01月18日 著者:望月 衣塑子
書店員の恋 (ハルキ文庫 う 8-2)書店員の恋 (ハルキ文庫 う 8-2)感想
巻末には、「本書は平成25年に刊行された日経文芸文庫を底本としました」とあって、著者の「ハルキ文庫版あとがき」には、2016年・夏の「最初の単行本からは8年、文庫化から3年の月日が流れた」との記述がありました。で、この読書メーターで確認してみたところ、単行本にて2009年10月の読了。ということは、私が根室に住んでいた頃。表紙の写真に惹かれて購入し、穏やかな作品との印象でした。あれから8年余り経って、なにやら物足りなさを感じてしまったのは、単に、読む側の意識の変化ゆえなのかもしれませんけれど。
読了日:01月16日 著者:梅田 みか
セトウツミ 5 (少年チャンピオン・コミックス)セトウツミ 5 (少年チャンピオン・コミックス)感想
テレビドラマ化され、昨年10月からテレビ東京系で深夜に放映されていましたが、惜しくも、12月をもって終了。どちらかといえば、好きな食べ物を最後まで残しておくタイプに属する私は、楽しみに、ちょっとずつ読み進めているところです。
読了日:01月15日 著者:此元和津也
御子柴くんと遠距離バディ (中公文庫)御子柴くんと遠距離バディ (中公文庫)感想
1泊2日でJRにて「富良野〜旭川〜網走」間を往復。旭川行き「普通列車」と網走行き「特急大雪」を合わせて片道5時間半。そんな車中での持参本として往路に読了。なんだか御子柴くんが前作の『御子柴くんの甘味と捜査』よりグッと頼もしくなっていて、読み応え十分な一冊でした。
読了日:01月13日 著者:若竹 七海
横浜「佐藤さん」殺人事件―タンタンの事件ファイル (小学館文庫)横浜「佐藤さん」殺人事件―タンタンの事件ファイル (小学館文庫)感想
市立富良野図書館から借りた一冊。鯨統一郎は、かなり以前に2,3冊読んだような気もしますが、正直、あまり馴染みはありません。巻末には、「本書は、小学館文庫のための書き下ろし作品です」とあって、奥付を見ると、「2012年7月11日 初版第1刷発行」。サクサクと軽い感じで読了し、読後感も悪くはありません。<マグレ警部シリーズ>など、シリーズ物が多いようですので、シリーズ物好きな人間としては、何かのシリーズから、徐々に着手してみようかと思います。
読了日:01月07日 著者:鯨 統一郎
木野塚探偵事務所だ (創元推理文庫)木野塚探偵事務所だ (創元推理文庫)感想
年が改まって、はや6日。大晦日あたりから、『横浜「佐藤さん」殺人事件』(鯨統一郎/小学館文庫)、『アミの会(仮)編 毒殺協奏曲』(有栖川有栖ほか/原書房)、『御子柴くんと遠距離バディ』(若竹七海/中公文庫)と本書を並行して読んでいて、本書が2018年、ようやくの読了本1冊目。それにしても、まさか、本書を原作に、それもNHKでテレビドラマ化されるとは。1月2日の午後9時からの「スペシャルコント『志村けんin探偵佐平60歳』」は、アレンジ部分がありながら、案外、原作に忠実。面白くて、なにより、嬉しかった。
読了日:01月06日 著者:樋口 有介

読書メーター

収穫は『アンソロジー 捨てる』(「アミの会(仮)」・編)。 <12月の読書メーター>

12月の読書メーター
読んだ本の数:11
読んだページ数:2978
ナイス数:168

風 (河出文庫)風 (河出文庫)感想
たぶん本書が2017年、最後の読了本。青山七恵の本は、そう多くはありませんが、何冊か読んでいて、独特の観察眼みたいなところが好きな作家。ですが、本書に関しては、ちょっと違った感じで、正直なところ、あまり理解できないままの作品もありました。そんな中、「二人の場合」が辛うじて、ふむふむ、そうかそうかと。
読了日:12月30日 著者:青山 七恵
桜庭一樹短編集桜庭一樹短編集感想
市立富良野図書館から借りた一冊。桜庭一樹は、かつて『砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない』でその存在を知り、何冊が読みましたが、最近はとんとご無沙汰。今回は、ユニークな表紙写真に誘われた感じで手に取ってみました。短編6作を収録。そのうち、短編というより中編ともいえるボリュームの「冬の牡丹」と「赤い犬花」が、よりしっくりと来て、良かったです。
読了日:12月30日 著者:桜庭 一樹
かわいい結婚 (講談社文庫)かわいい結婚 (講談社文庫)感想
表題作を含む3作を収録。JRにて「富良野〜滝川〜札幌」間を1泊2日のとんぼ返り。その時の持参本として、車中や、クリスマス真っ盛りの喧騒に包まれた札幌市内の各地(喫茶店・休憩スペースなど)にて、サクサクと読了。特に「悪夢じゃなかった?」は、「男である自分の身体が一夜にして女になってしまった」というパターン自体それほど珍しくありませんが、女性である著者が、女性になってしまった男性の気持ちで書いているあたり、男性的でもあり女性的でもある視点・視線が、なんとも面白かった。で、女性って思った以上に大変なんだなぁと。
読了日:12月23日 著者:山内 マリコ
つめつめ感想
市立富良野図書館から借りた一冊。どうやら本書は<巻き込まれ型小説>第3弾らしく、私的には、たまたま図書館から借りた『とげ』に始まり、『かび』に続いての3冊目。他にも『どろ』などがあるようで、読者としては、けっして巻き込まれてはいませんが、ついつい引き込まれてしまいます。真野朱音と南郷不二美のぶつかり合いは、その行動内容も関西弁での言い合いも、いくら何でもやり過ぎではと心配しましたが、息子・裕也の活躍もあって、最後は見事に丸く収まって、ホッと胸をなでおろしたりして。知らず知らず巻き込まれているのかも。
読了日:12月21日 著者:山本 甲士
こじれたふたり (文春文庫)こじれたふたり (文春文庫)感想
「ちょっぴりフェティッシュな趣味や性癖に振りまわされる大人の恋の短編集」とのことで4作を収録。タイトルと同名の作品はありませんが、たしかに4作とも“こじれた感じの二人”が登場していたような。巻末の「初出」によれば、最後の「虫のいどころ」(『オール讀物』2008年11月号)以外の3作は書下ろしですので、タイトルが共通テーマなのでしょう、きっと。個人的には、100ページほどと一番ボリュームのある「チャット・ガール」が、かなり好きです。抽斗がたくさんあるなぁ、坂井希久子。次は、『羊くんと踊れば』を探そうかと。
読了日:12月17日 著者:坂井 希久子
れんげ野原のまんなかで (創元推理文庫)れんげ野原のまんなかで (創元推理文庫)感想
初遭遇の作家。今回、「富良野〜東鹿越〜新得〜釧路〜根室」間をJRにて(ただし、昨年8月の台風被害のため「東鹿越〜新得」間はバス代行)1泊2日。そんなバタバタとんぼ返りな小旅行での持参本。そんな片道7時間余りの車中にて読了。以前からそうなのか、単に私が気付くのが遅かったのか、最近、図書館が舞台となっている本って多いなぁ、などと思いつつ。ここのところ、何冊目かの図書館本(勝手に、そう呼ばせていただきます)ですが、本書を含めて、著者の図書館好き・本好きぶりが伝わってきて、いいです。
読了日:12月16日 著者:森谷 明子
アンソロジー 捨てるアンソロジー 捨てる感想
市立富良野図書館から借りた一冊。「アミの会〈仮〉」によるアンソロジーは、先日、第3弾の『隠す』を読んで面白かったので、引き続き、本書に手を伸ばした次第。今回の女性作家9人は大半が馴染みの作家ですが、篠田真由美、福田和代、松村比呂美の三氏が、ほぼ初遭遇。本書も、「捨てる」を共通のテーマに各作家の特長が出ていて、充実の一冊となっていました。近藤史恵氏による「あとがき」に「アミの会〈仮〉」発足の経緯などが書かれていて、そうかそうかと読みました。
読了日:12月13日 著者:大崎 梢,篠田 真由美,松村 比呂美,光原 百合,柴田 よしき,新津 きよみ,永嶋 恵美,近藤 史恵,福田 和代
ほうかご探偵隊 (創元推理文庫)ほうかご探偵隊 (創元推理文庫)感想
意外にも、倉知淳の本は、それほど読んでいないのかもしれません。帯には、「ジュヴナイル・ミステリの快作×謎解き小説(パズラー)の傑作、文庫化!」とあって、巻末には、「本書は2004年、講談社(ミステリーランド)より刊行された作品の文庫版です」とのこと。「ジュヴナイル」で小学5年生の4人が探偵役のため、「児童あるいはヤングアダルト向け」の入門編とも思われそうですが、それだけではなくて、私のように、かなりアダルトなミステリ好きも存分に楽しめました。
読了日:12月11日 著者:倉知 淳
閉ざされた夏 (光文社文庫)閉ざされた夏 (光文社文庫)感想
市立富良野図書館から借りた一冊。若竹七海は、私がミステリに興味を持ち始めた頃にデビューした作家で、好きな作家の一人。そんなこともあって、大半が既読のつもりでしたが、どうやら本書は未読。巻末には「1998年7月 講談社文庫刊」とあって、光文社文庫の本書は「2006年2月20日 初版1刷発行」。まだ携帯電話が普及しておらず、アリバイに絡んで留守番電話・転送・ポケットベルが登場するあたり、懐かしくもありました。実は同窓生だったらしい作家・赤城毅氏の「解説」も、デビュー前の若竹七海が垣間見れて楽しかった。
読了日:12月09日 著者:若竹 七海
キャリア警部・道定聡の苦悩 (単行本)キャリア警部・道定聡の苦悩 (単行本)感想
市立富良野図書館から借りた一冊。「新米エリート刑事(ブサイクで頼りない)」×「超絶美人刑事(いい加減でやる気のない)」。危うい凸凹コンビが5つの難事件に立ち向かう!とのこと。どこかのテレビドラマで観たことがあるようなコンビだなぁ。などと思いつつ、上司の桜井係長や同僚の川上刑事を含めた、毎回、お約束のやり取りを、肩の力を抜いた感じで、のんびりと楽しませていただきました。
読了日:12月05日 著者:五十嵐 貴久
セトウツミ 4 (少年チャンピオン・コミックス)セトウツミ 4 (少年チャンピオン・コミックス)感想
7巻まで購入済みですが、一気読みして楽しみがすぐに終わってしまわないよう、ジッと我慢。読み過ぎに注意しております。で、本書ですが、第31話の「ミソハギとカエデ」が特に良かった。ところでハツ美ちゃんって、原作の八の字眉毛とつりあがった目とか、実写版(テレビドラマ)の片山友希さんが、あまりに見事に再現していることに吃驚です。
読了日:12月01日 著者:此元 和津也

読書メーター


意外に読めて16冊(ただしコミック本4冊を含みます)。<11月の読書メーター>

極端に遅読な私にしては、随分と読めた月だった。少しずつ、自分の本を読む時間・場所が定着してきたような気もする。引き続き、JR車中での読書のような至福のひととき・空間を増やしていきたいものである。

 

11月の読書メーター
読んだ本の数:16
読んだページ数:4203
ナイス数:218

春から夏、やがて冬 (文春文庫)春から夏、やがて冬 (文春文庫)感想
先日読了した『葉桜の季節に君を想うということ』に続いての歌野晶午の作品。今回も、いい感じのタイトルに惹かれての購入。ミステリのつもりで読み始めたが、途中、あまりに切なくて、読み進めることを躊躇してしまった部分もあって、実に深く心に残る物語だった。まあ、無理にジャンル分けをする必要もなさそうだ。この読後感と余韻は、なかなか得難いものである。
読了日:11月30日 著者:歌野 晶午
オロロ畑でつかまえて (集英社文庫)オロロ畑でつかまえて (集英社文庫)感想
テレビドラマ化され、現在放映中の「ユニバーサル広告社 〜あなたの人生、売り込みます!〜」を観て、久々の再読。「富良野〜旭川」間のJR富良野線の車中にて、懐かしさを感じつつ、読了。「ユニバーサル広告社シリーズ」は、本書が第1弾で、「なかよし小鳩組」「花のさくら通り」へと続き、どうやら「花のさくら通り」が現在放映中らしく、引き続き、シリーズを読み進めようかと。
読了日:11月28日 著者:荻原 浩
かびかび感想
市立富良野図書館から借りた一冊。既読の『とげ』が面白かったので、本書にも手を伸ばしてみた。大企業に立ち向かう主婦・友希江(大阪府八阪市在住・35歳)の変化していく姿が凄まじく、関西弁でのテンポも心地よかった。テレビドラマ化されても、きっと楽しそうな作品。山本甲士の他の作品も読んでみようと。
読了日:11月27日 著者:山本 甲士
アンソロジー 隠すアンソロジー 隠す感想
市立富良野図書館から借りた一冊。「隠す」をテーマとする女性作家11人のアンソロジーは、それぞれの特長も出ていて、毎回、展開が予想できず、とても面白かった。私は、まず作家で本を選ぶタイプでなので、おそらくこんな形でなければ出合うことがないと思われる作家もいて、楽しかった。どうやら本書は第3弾らしく、「捨てる」と「毒殺協奏曲」がテーマの既刊本も図書館で探してみようかと。
読了日:11月25日 著者:大崎 梢,加納 朋子,近藤 史恵,篠田 真由美,柴田 よしき,永嶋 恵美,新津 きよみ,福田 和代,松尾 由美,松村 比呂美,光原 百合
セトウツミ 3 (少年チャンピオン・コミックス)セトウツミ 3 (少年チャンピオン・コミックス)感想
先日、芦別の「川島書店」にて3巻から7巻までを受理してしまい、うっかり5冊を一気読みしてしまわないよう、ジッと我慢しています。で、ソオーッと第3巻ですが、第18話の「大根とからし」と第19話の「戦争と虫歯」が特に好きで、テレビでも良かったけど、原作も良かったです。ジワリジワリと面白さが溢れてきます。
読了日:11月25日 著者:此元 和津也
ブラック企業に勤めております。 (集英社オレンジ文庫)ブラック企業に勤めております。 (集英社オレンジ文庫)感想
うっかり第2弾の「その線を越えてはならぬ」を先に読んでしまい、やっぱり第1弾も読まねばと。ブラック企業といえば、かなり劣悪な労働環境がイメージされ、たしかに本書にも一癖も二癖もあるような人物が多数登場してはくるものの、会社そのものは、思ったほどのブラックでもないような気がしないでもなかった。それよりも何よりも、「しがない事務員・佐倉夏実(25)」の仕事ぶりと言ったら、クレーマー対応など、実に素晴らしく、もしも、こんなしっかり者の部下・同僚がいたらどれほど救われることかと思った次第。
読了日:11月23日 著者:要 はる
にぎやかな落葉たち (光文社文庫)にぎやかな落葉たち (光文社文庫)感想
かなり久々な辻真先。JRでの青森から富良野への帰路、「青森〜新青森〜新函館北斗〜函館」。函館に1泊してから、さらに「函館〜札幌」。札幌で会議・懇親会に出席してから、最後は「札幌〜滝川〜富良野」。そんな車中にて、車窓の景色を眺めたり、ワゴンサービスから買った缶ビールやホットコーヒーを飲みながら、少しずつ読み進め、帰宅して2日目の本日(2017年11月20日)に、ゆったりと読了。延べ5日間にわたって随分と楽しませてもらいました。手抜きなく緻密に書き込まれた作品。読みごたえがあって面白かったです。
読了日:11月20日 著者:辻 真先
あつあつを召し上がれ (新潮文庫)あつあつを召し上がれ (新潮文庫)感想
おそらく今回が3度目の読了。しかも、前回は今年の5月ですので、まだ半年ほどですが、まあ、そんなこともあります。JRにて富良野から青森まで。「富良野〜滝川〜札幌〜新函館北斗〜新青森〜青森」と4度乗り換えて9時間余り。そんな移動中の持参本の一冊として。たしか、函館行き「スーパー北斗12号」の車中にて、車窓の太平洋を眺めつつ、「東室蘭」を過ぎた辺りで読了。「食卓をめぐる7つの物語」のうち、今回は「親父のぶたばら飯」が、印象に残りました。
読了日:11月16日 著者:小川 糸
1985年の奇跡1985年の奇跡感想
市立富良野図書館から借りた一冊。阪神ファンな私にとっての1985年(昭和60年)は、わが阪神タイガースが日本一となった初めての、そして唯一の年。ということで借りてみた訳ですが、「そうかぁ、おニャン子クラブの時代かぁ」など、懐かしさが甦りました。終盤には、「さっさと富良野辺りまで逃げだして、石の家でも作っているだろう」が突然出てきて、そういえば、「北の国から」の時代だったのかぁ。など、新参者の富良野人として一瞬ビックリしながら、やっぱり懐かしく感じた次第です。
読了日:11月13日 著者:五十嵐 貴久
家族写真家族写真感想
一週間ほどにわたってゆっくりと読了。「笑って泣ける7つの家族の物語」とのことで、表題作を含む短編7作を収録。個人的には、「しりとりの、り」が、まさに泣いて笑ってな感じで、特に良かった。で、よくもこれだけ「しりとり」を書き続けられるものだと感心しきり。いろいろな家族のお話が詰まっていて、楽しめた一冊。
読了日:11月13日 著者:荻原 浩
セトウツミ 2 (少年チャンピオン・コミックス)セトウツミ 2 (少年チャンピオン・コミックス)感想
帯によれば、どうやら実写での映画化もされて公開済みらしく、たくさんのお話が、いったいどのように1本の作品となっているのか。機会があれば観てみたいものです。第8話の「サンドイッチとおにぎり」は、テレビで観て笑って、ストーリーを知っているのに、原作でまた笑ってしまいました。
読了日:11月09日 著者:此元 和津也
セトウツミ 1 (少年チャンピオン・コミックス)セトウツミ 1 (少年チャンピオン・コミックス)感想
たまたま深夜に観たドラマがあまりに面白かったので、とりあえず原作本の1・2巻を購入。そして、原作本に対してかなり忠実に描かれていたことを知って吃驚。観てから読むのも悪くない。
読了日:11月09日 著者:此元 和津也
リリスの娘 (光文社文庫)リリスの娘 (光文社文庫)感想
坂井希久子って、いろいろ書くんだなぁ、などと思いつつ、後半はペースあげて読了。一人の女性の妖艶でしたたかな一生が描かれ、意外性もあって面白かった。ではありますが、個人的には、やっぱり官能小説は苦手です。
読了日:11月06日 著者:坂井 希久子
重版出来! 10 (ビッグコミックス)重版出来! 10 (ビッグコミックス)感想
好きな食べ物は最後まで大事に残しておくタイプです。で、本書の場合、10月30日(月)に購入し、読みたい気持ちをグッとこらえ、楽しみを後日に残して、未読のまま本棚の「マ行」の段に収納。ですが、その六日後の本日(11月5日)、結局、堪らず読んでしまいました。また、「2018年 春」をジッと待ちます。ところで、フォントは、それぞれに書体デザイナーが作っていたのかぁ。ふむふむ。
読了日:11月05日 著者:松田 奈緒子
アイネクライネナハトムジークアイネクライネナハトムジーク感想
連作短編集で6編を収録。伊坂幸太郎の恋愛小説って、案外珍しいのかもしれないなぁ、などと思いつつ、極端に遅読な私が一気読み。まあ、各作品が過去、現在を行ったり来たりしながら絡まっているので、一気に読まなければ、すっかりこんがらがってしまうとの個人的な事情もありましたけれど。満足感たっぷりな一冊でした。で、読了後には、さっそく斉藤和義の「ベリーベリーストロング 〜アイネクライネ」を聴きました。
読了日:11月04日 著者:伊坂 幸太郎
嘘みたいな本当の話 [日本版]ナショナル・ストーリー・プロジェクト嘘みたいな本当の話 [日本版]ナショナル・ストーリー・プロジェクト感想
市立富良野図書館から借りた一冊。「[日本版]ナショナル・ストーリー・プロジェクト」とのことで、「すべて誰かの身に起きた、実話です」とあります。高橋源一郎と内田樹。両氏が選んだ149の実話は、クスッと笑えたり、なかなか面白かった。更に募集が続いているようなので、続編も読もうかと。
読了日:11月01日 著者:

読書メーター


収穫は『葉桜の季節に君を想うということ』。<10月の読書メーター>

JUGEMテーマ:読書

10月の読書メーター
読んだ本の数:8
読んだページ数:2748
ナイス数:128

ボーイミーツガールの極端なものボーイミーツガールの極端なもの感想
市立富良野図書館から借りた一冊。2度の延長を経ての読了です。山ナオコーラは、その感性が好きな作家。本書は連作短編小説集ですので、あまり期間をかけずにもう少し一気に読めばよかったと、ちょっと反省です。
読了日:10月30日 著者:山崎ナオコーラ
作家ソノミの甘くない生活 (角川文庫)作家ソノミの甘くない生活 (角川文庫)感想
群ようこの本は、気が付けば随分と本棚に並んでいて、とりあえず本書から読み始めてみた次第。著者自身がモデルなのではないかと思われる作家ソノミの生活は、たしかに“あるある”と同感できることも多数あって、後半に行くほど、だんだん文章のテンポにも馴染んできました。今後、少しずつ他の作品にも手を伸ばしてみようかと。
読了日:10月28日 著者:群 ようこ
葉桜の季節に君を想うということ (文春文庫)葉桜の季節に君を想うということ (文春文庫)感想
かつて数々の賞を受賞した頃からずっと気になって、何度か購入してきた本書。頻繁な転勤に紛れ、その都度、未読のまま数冊が引っ越し荷物と化して段ボール箱の中に眠っているはず。で、今回、極端に遅読な私が、2日ほどで一気読み。ふむふむ、見事にやられました。
読了日:10月26日 著者:歌野 晶午
探偵ファミリーズ (実業之日本社文庫)探偵ファミリーズ (実業之日本社文庫)感想
初遭遇の作家。ほんわかとした展開が続き、第五話と第六話あたりでようやく探偵物らしくなった気がします。さらに続編がありそうなラスト。巻末には「『月刊ジェイ・ノベル』2016年2月号〜2017年1月号掲載」とありますので、案外、引き続き連載中なのかもしれませんけれど。
読了日:10月22日 著者:天祢 涼
乗りかかった船乗りかかった船感想
市立富良野図書館から借りて、一度の延長を経て読了。久々に読んだ瀧羽麻子。中堅の造船会社を舞台に様々な人々にスポットを当てながら、サラリーマンの悲喜こもごもが描かれていて、なかなか読みごたえがあった。思わず我が身を振り返り、たしかに、ふむふむと、頷く場面も多かった。収録された7作それぞれに付けられた船にまつわるタイトルには、ほぼ同感できたのだが、「乗りかかった船」との本書のタイトルには、少し物足りなさのような感覚も残った。まあ、私自身が、その言葉にはあまり前向きな印象を持っていないからだろうけれど。
読了日:10月21日 著者:瀧羽 麻子
とげ (小学館文庫)とげ (小学館文庫)感想
市立富良野図書館から借りた一冊。おそらくは初遭遇の作家。これは私自身の読み方の問題なのかもしれないが、スロースタートだった前半から、職場でも家庭でも様々な問題が発生し続ける中盤。そして、開き直りとも思えるように攻勢に転じる終盤へ。物語とはいえ、果たしてこんなにもいろんなことが起きるものかと思う気持ちと、たしかにあるよなぁ、こんなこと、と思う気持ち。そして、まるで写真のような「アロワナ」の表紙イラストを、ずっと思い浮かべながら読み進めた一冊だった。とりあえず、『かび』『あかん』『どろ』も読もうかと。
読了日:10月14日 著者:山本 甲士
湖底のまつり (創元推理文庫)湖底のまつり (創元推理文庫)感想
各書店に平積みされていて、帯には「復刊、即大反響。40年前の傑作が今、再びの大ブレイク!」。つい嬉しくなって、再読のつもりで読み始めたところ、どうやら未読。「探偵小説専門誌『幻影城』の1978年6・7月合併号から連載され、同年に単行本が刊行。1980年に角川書店から文庫化」とのこと。で、本書の奥付を見ると、「1994年6月24日 初版」で「2017年5月19日 11版」。様々な伏線がちりばめられ、想像もできなかった展開に吃驚。古さは全く感じず、読了後の満足度が半端じゃなかった。復刊に感謝です。
読了日:10月11日 著者:泡坂 妻夫
17歳のうた17歳のうた感想
たしか、1カ月ほど前、大阪の阪急三番街「紀伊国屋書店梅田本店」での購入本。坂井希久子は、初めて読んだ『ヒーローインタビュー』など、いい作品が多い。個人的に、ただいま注目の作家。本書は地方都市に住む5人の17歳がヒロインで、「オール讀物」に掲載された4編と書き下ろしが1編。いろんな17歳があって、なかなか面白かった。
読了日:10月04日 著者:坂井 希久子

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